「こうすればもっと良くなる」宿泊者アンケートの添削術
アンケートのアップデート
宿泊者アンケートを実施しているお宿は数多くあります。
私も旅館やホテルに泊まることがよくありますが、お部屋にアンケートが置いていないお宿はあまり見かけません。
さて皆さま、今実施しているアンケートに自信はありますか?
何年も前に作ったきり、放置していませんか?
パソコンや館内設備にアップデートが必要なように、アンケートもメンテナンスやバージョンアップが必要なんです。
クリアンでは、皆さんが今実施しているアンケートを拝見し、もっと良いものにするための【添削サービス】を無料で行なっています。
怖くありません^^
「アンケートの添削」って、何をするの?
うちのアンケートにダメ出しをされちゃうの?
…と、ご不安になられるのももっともです。
でも大丈夫。ご安心ください。
クリアンのアンケート添削は「貴館のアンケート、ここがダメです」という指摘ではありません。
- 「こういう選択肢がある方がお客様が答えやすくなりますよ」
- 「こういう順番の方が回収率向上が期待できますよ」
- 「この記入スペースは広めにとって、のびのび書いてもらいましょう」
といった【アンケートがもっとよくなる】ためのアドバイスです。
ここで問題です
それでは、具体的に見ていきましょう。
まずは、こちらをご覧ください。
これは、架空の旅館の宿泊者アンケートです。
よろしければ、ちょっと立ち止まって、考えてみてください。
このアンケート、どうすればもっとよくなるでしょうか。
ポイントは「回答される方の目線(気持ち)で見ること」です。
タイトルは「顔」。
それでは添削内容を少しずつ見ていきましょう。
まずはタイトル。宿泊客様が必ず目にする部分です。このタイトル次第で、
読み進めてもらえるかどうかが決まります。
「アンケートのお願い」
これは間違いではありませんが「自分には関係ないもの」と思われてしまいがちです。たとえば、こんな風にしてみるといかがでしょう。
「○○旅館 ご宿泊者様アンケート」
○○には、もちろん貴館の名前が入ります。すると、これを見た方はまさに○○旅館に泊まっているわけですから、「お、自分のことだ」と思っていただけます。
「○○旅館にお泊りのお客様へ」でも良いかもしれません。
ポイントは、「他人ごと」ではなく「自分ごと」と考えてもらうこと。
ほんの一瞬でも立ち止まって見てもらうことです。
「その他」の大切さ
1.ご滞在中、一番心に残ったことは何ですか?
□お部屋 □大浴場 □料理 □庭園 □売店 □スタッフ
一見、何の問題もなさそうに見えます。でもたとえばロビーに飾られている絵が一番印象的だったお客様がいたら、いかがでしょう?
どれも選ぶことができず、立ち止まってしまいますね。
そしてお宿も、その絵が好評であったことを、知ることはありません。
これは、とてももったいないことです。
選択肢に「その他」があり、自由記入欄があれば、これを防ぐことができます。
貴館のアンケートはいかがですか?
ちゃんと「その他」がありますか?
宿泊客様の心地よい「順序」に
上でご紹介した「心に残ったこと」という設問は、用紙の最初に記載されています。でもできればこの設問は、後半に配置した方が効果的です。
なぜなら「一番心に残ったこと」を尋ねるというのは「大きな質問」だからです。
この後、スタッフの対応、大浴場、朝食・夕食などの満足度をヒアリングしていくわけですが、これらの「小さな質問」の方が答える側としては、はるかにカンタンです。
カンタンな質問にお答えいただきながら、心をほぐしていただくわけです。
すると「一番心に残ったのは?」という大きな質問も答えやすくなるんです。
そしてもう一つ、考えるべきことがあります。
「朝食と夕食と大浴場。どの順番で利用するか」という点です。
夕食と大浴場は前後する可能性がありますが、少なくとも朝食は、この中では一番最後です。
そして、スタッフの対応についての評価も、これら3問を経た上で考えたいと思うのが自然です。
というわけで、以下のような順番の方がより心地よく答えられます。
「夕食」→「大浴場」→「朝食」→「スタッフの対応」→「一番心に残ったこと」
「たいへん不満」…そのワケは?
2.スタッフの対応はいかがでしたか?
□たいへん満足 □やや満足 □どちらとも言えない □やや不満 □たいへん不満
この設問の結果、仮に3割の方が「たいへん不満」をつけたとします。
お宿としては見過ごせないですね。
しかし、ここで思うのは「たいへん不満」と回答されただけでは、何をどう直せば良いのかがわかりません。
漠然と「よい対応をするように」と指導した場合。
何をどうすれば良いのかが具体的ではないため、大きな効果は見込めそうにありませんね。
たとえば自由記入欄を併記するのはいかがでしょう。
すると「挨拶が元気なかった」「荷物の運び方が乱暴だった」など、具体的な記載がされます。
ネガティブなコメントは耳が痛いかもしれませんが、現状把握はとても大切です。具体的な問題がわかれば、スタッフへの指導もしやすくなります。
お客様も、「たいへん不満」にチェックをつけるだけよりは、しっかりと伝えたい事が伝えられてすっとするはずですよね。
「利用した前提」という先入観
3.大浴場はいかがでしたか?
□たいへん満足 □やや満足 □どちらとも言えない □やや不満 □たいへん不満
ここで考えたいことは、「大浴場」は必ず全員が利用しているか、という点です。
もちろん、温泉宿であれば大半の宿泊客様が利用していると想像できます。
しかし、それぞれにご事情があり「利用していない」方もいらっしゃる可能性があります。
そのとき、どれを選ぶかはひとそれぞれ。チェックをつけないかもしれません。もしかしたらいい加減にチェックするかもしれません。
この場合の問題点は2つです。
- 正確なデータが取れなくなる
- 回答するお客様が窮屈な思いをする
この問題は「利用していない」という選択肢を設けるだけで解決できます。
朝食や夕食についても、利用しないケースが考えられる場合は同様のことが言えます。
人の脳の不思議な習性
アンケート終盤にはよく見かける「ご意見・ご要望」の記入欄について。
このスペースが少ないと、記載される内容も少なくなってしまいます。
人の脳は、空白があるとそれを埋めようとする、と言われています。
いかがですか? この方が「よし書こう!」という気になってきませんか?
自由記入欄はできるだけ大きなスペースをとりましょう。
たくさんの意見を欲しいと思っている(ご意見歓迎)という思いもアピールできて印象も良くなります。
見落としがちな「最初」と「最後」
最初と最後のごあいさつも大切なポイントです。
単に「アンケートをお願いします」「ありがとうございました」と言うだけではちょっとさびしいですね。思いの丈を熱く、ただしシンプルに(長くなりすぎずに)伝えることも大切です。
例をご紹介します。
【冒頭文例】
当館は「明日、今日より良い旅館になる」ことを目指しております。
次回、更にご満足いただくため、ぜひお客様のお声をお聞かせください。
ご回答いただいたお客様にもれなくお礼の品をご用意しております。
本用紙をフロントまでお持ちください。
【末尾文例】
ご滞在中の貴重なお時間を分けてくださり、ありがとうございました。
引き続き、素敵な旅をお過ごしください。
アンケートというものは、基本的には答える側にあまり利がありません。
でも「良い旅館になるため」と気持ちを伝えられると「協力したい」という思いが芽生えてくるものです。人は、誰かのためになるとわかるとそれだけで行動しやすくなるとも言われています。
また、お礼の品がある場合は、冒頭で伝えておくと回収率が上がります。
末尾に書かれていると、気づいていただけない場合もありますからね。
アンケートって、人と人。
長文におつきあいいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
アンケート作りには「これで完璧」ということはありません。
人が作り、人が回答する以上、「どう感じるか」「答えたいと思うか」は常に不確定です。
だからこそ定期的に見直し、「もっとよくならないか」を考えていく必要があります。
もしかしたら「聞き方」をひと工夫するだけで、これまでいただけなかったご意見をいただけるようになるかもしれません。
あるいは、何も言わず諦められてしまっていた「残念なこと」をちゃんと伝えてくださるようになり、「気づき」や「改善」のきっかけになるかもしれません。
クリアンでは、既存アンケートの添削サービスを無料で行なっております。
ご興味がありましたらぜひ、こちらのページよりお申し込みください。