アンケート質問がスラスラ浮かぶ「旅館の8大要素」マンダラート
アンケート作りの盲点
宿泊者アンケートをご自身で手作りするとき…
意外と見過ごされがちなのが設計の前段階です。
前段階とは「知りたいこと」「気になること」の整理。
あまりピンとこない方もいらっしゃると思います。
順を追って解説していきますね。
そもそもアンケートの「目的」ってなんでしょう?
もちろん「アンケートをすること」ではありません。
目的はその先にありますよね。
アンケート結果から価値ある情報を手に入れること。
その情報をアクション(行動)につなげること。
これがアンケートの目的です。
つまりアンケートの設問(質問)は、この「目的」を果たすために効果的な聞き方でなくてはならないということです。
だから、いきなり質問を作り始めるのは得策とはいえません。
「目的」を意識しつつ「知りたいこと」や「気になること」を整理する。
これが大切なファーストステップなんです。
「知りたい」「気になる」の例
たとえば宿泊施設のアンケートであれば、一般的には次のような「知りたい」「気になる」が考えられます。
- お客様はどのくらい満足されたか
- 満足の要因は何だったか
- お客様は不満を感じなかったか
- 不満の要因は何だったか
- どんな要素がリピート率を向上させるのか
上記以外にも、お宿によって様々な「知りたいこと」「気になること」があるはずです。
上に挙げた要素に関しても、もっと細分化した方が適切かもしれません。
これらを的確にピックアップすることがファーストステップの「キモ」です。
クリアン製「知りたいこと」発案シート
料理はご満足いただけたか
接客したスタッフの知識は十分だったか
こんなふうに、思いつくままに挙げていくのも1つの方法です。
でもこれだと、どうしても「抜け・漏れ」が発生しやすいですよね。
そこで提案したいのが、「知りたいこと」発案シートです。
これは、ビジネスのフレームワークでよく用いられる「マンダラート」の手法を応用し、私どもで考案したものです。
まずは、宿泊施設の満足度の指針としてよく取り沙汰される8つの要素を大項目として、以下のように図示します。
お宿それぞれの「小項目」を埋めよう
次に、8つの大項目それぞれに対して8つずつの小項目を書き出していきます。
大項目は、ほとんどのお宿では上の図のまま活用できるでしょう。
でも小項目はお宿によって異なるかもしれません。
ご自身のお宿に合った項目を書き出してみてください。
ポイントは、お客様が「8つの要素」と接する姿を具体的にイメージすることです。
すると自然に注目すべき点が浮かんでくるはずです。
たとえば「アクセス」であれば、電車、車、バス、タクシーなどの交通手段。
そして近隣の観光地や飲食店。
送迎の必要性。
所在地のわかりやすさなどです。
こうして小項目が埋まれば質問も浮かびやすいですよね。
「車」の項目なら駐車場の停めやすさや、カーナビでの案内が問題なかったか。
ナビで設定すると、道一本ずれて案内されてしまう…などは意外と内部の方は気づきにくいものです。
お客様だけが知っている情報を手に入れられるのもアンケートの良さの1つですね。
試しにすべてのマスを埋めた例をご覧ください。
実録「アンケート制作会議」
これですべてのマスが埋まりました。
このシートが「知りたいこと」「気になること」を発想していくためのベースになります。
この「知りたいこと」発案シートを元にして、スタッフの皆さんでアンケート制作会議をするというのもオススメですよ。
ではここで、架空の「クリアン旅館」のアンケート制作会議の様子を覗いてみましょう。
「施設備品」→「アメニティ」
「温泉・浴場」→「色」「香り」
実り多きアンケートを
「知りたいこと」発案シートの空欄は全部で64個あります。
この数の空欄を埋めるのはなかなかの労力かもしれません。
でもその労力は決して無駄にはなりません。
最適な発想は最適な設問を生み、良き収穫をもたらします。
きっと苦労に見合うだけの、実り多きアンケート結果が得られると思いますよ。
アンケート設計について、もしもサポートが必要な際はお気軽にお問い合わせください。
クリアンでお手伝いいたします^^