その情報、アンケートでしか手に入りません。
「わからないこと」の調べ方
このバナナ、どうしたら長持ちするかな?
バナナの最適な保存方法が知りたいとき、皆さんはどうしますか?
※よろしければ、少し立ち止まって考えてみてください。
さて、いかがでしょう。
おそらくほとんどの方が「スマホで検索する」という答えを浮かべたのではないでしょうか。
もちろん私もそうです。疑問が浮かんだ次の瞬間にはスマホの検索画面を立ち上げているかもしれません^^
スマホ全盛時代。
わからないこと、知りたいことがあれば、すぐに調べられます。
- 明日の天気
- 今日の日経平均株価
- 気になるあの芸能人の出身地
- バナナを美味しく長持ちさせる方法
その昔、知りたいことがあると人は、詳しい人に聞きました。
もしくは、図書館で調べました。
少し時代が進むと、パソコンで調べるようになりました。
(ちなみにその頃、ネット接続できるパソコンを持っている人は、昔話の「長老」や落語の「ご隠居」のように重宝されたものです)
そして今。
誰もがスマホを持ち、その場で調べる時代。
スマホで調べられること
では、ここでちょっと考えてみます。
スマホがあれば、なんでも調べられるものでしょうか。
たとえば、こんな場合はいかがでしょう?
目の前にいる家族が、なぜか今日は不機嫌。
その理由は…?
・
・
・
検索すれば答えが見つかるでしょうか。
答えは、ノーです。
インターネットで得られる情報って、実は「なんでも」ではないんです。
- あなた自身がキーワード検索し、その結果表示された情報
- 普段の検索結果や閲覧履歴を元に表示されるオススメの情報
- SNSでつながった人たちが発信している情報
スマホを使ってネットから得られる情報の多くはこれらです。
つまり、自分の「望む方向」の情報がほとんどなのです。
アプリが表示するニュース記事でさえも、トップ記事以外はあなたの趣味嗜好を考慮して「あなたに気に入られそうなもの」を集めて表示します(※キュレーション機能)。
つまり自然と、興味のある(好きなもの)だけが見える世界になりがちなんです。
スマホでは調べられないこと
短時間で多くの情報を手に入れられるスマホの利便性。
これはとても貴重です。
でもスマホでは「調べようと思ったこと」しか調べられないんです。
言い換えると、調べようとしていないことは見つかりません。
つまり「意外な」「思いがけない」「耳の痛い」といった情報。
これはなかなかスマホで手に入れられるものではありません。
アンケートの自由記入欄は、実はそのような情報の「宝庫」です。
ではここで、旅館やホテルの宿泊者アンケートの回答例を見てみましょう。
- 床の間の照明のスイッチが見つからなくて、結局明かりをつけたまま寝た
- キッズスペースにある絵本「○○のぼうけん」がだいぶ傷んでいた
- 館内マップが「ほしいな」と思うところに必ずあって、どこに行くにも迷わず済んだ
- 部屋に飾ってある絵が素晴らしく、いつまででも見ていたいと思った
いかがですか?
生の情報にあふれていますよね。
アンケートではこのように、良い点も悪い点も、想定外の角度からコメントをいただけることがよくあります。
照明のスイッチの位置は、スタッフならば慣れているので「見つけやすいかどうか」が盲点になりがちです。
キッズコーナーの絵本1冊1冊の痛み具合を日々点検するというのもなかなか難しいでしょう。
これらを教えていただけるというのは、本当にありがたいことです。
工夫を凝らして設置した館内マップ、実際にこんな風に褒めていただけると自信につながりますよね。
絵がある効果が形として見えることが少ないですが、好感の材料になっていることがわかれば設備投資もしやすくなります。
これらは、どれもアンケートでなければ得られなかった情報です。
アンケート結果はこのように、私たちが「調べよう」「手に入れたい」と思っていない情報を思いがけず提供してくれます。
アンケートを作るとき、選択式のアンケート設問ももちろん大切ですが、自由回答式の設問を最低1つは設けた方がよいと私が思うのは、こういった理由からです。
わからないことは聞いてみる
さてここで、冒頭の「家族がなぜか不機嫌」のお話に戻りましょう。
家族が不機嫌な理由を知りたい場合、もちろんネットで検索しても答えは見つかりません。
ではどうするか。
答えはカンタン。
相手に「聞いてみる」ことですね。
でも、ただ聞くだけでは答えがもらえない場合もあります。
「なんで不機嫌なの?」→「別に不機嫌じゃないよ」
こんなやりとりが想像できます。
少し聞き方に工夫が必要そうですね。
いくつか考えてみましょう。
「今日、どうだった?」
「なにかあった?」
「困ってること、ある?」
「大丈夫?」
「何か私にできること、ある?」
正解は1つではありません。
その場の空気や関係性によっても変わってきます。
「聞く」ための工夫って、意外と奥が深いんです。
そしてこれはアンケートの設問での「聞き方」も同様です。
聞くための工夫。
たとえば、ラポールの形成。
同じことを聞かれても、聞く側と答える側の間に信頼関係(ラポール)があるかどうかで反応が変わります。
参考:コラム:「宿泊者アンケートの回収率を上げる「ラポールの形成」」
たとえば、質問する順序。
いきなり答えにくいことから聞かれると口をつぐんでしまいます。
参考:コラム「美容師さんのトークに学ぶ【アンケート質問の順番】」
たとえば、使う言葉。
同じ質問でも使う言葉が変われば答えがもらえたりもらえなかったりします。
参考:コラム「アンケート作成に役立つ「言い換え」の技法」
工夫は他にもたくさんありますが、代表的なものを3つ挙げてみました。
こうした工夫の積み重ねで、アンケートは価値ある情報を得られるようになります。
【検索では見つからない答え】をアンケートで
検索では得がたい情報の大切さ。
そして聞き方には工夫が必要であるということ。
おわかりいただけたでしょうか。
クリアンでは「知りたいこと」を知るための「聞き方」について日々ブラッシュアップを続けています。
検索しても見つからない答えをお探しでしたら、プロの設計する宿泊者アンケートで、一緒に実現してみませんか?
お問い合わせ、お待ちしております。
…ちなみに、バナナは食べ頃まで常温で追熟させたあと、ラップに包んで野菜室に保存すると良いそうです^^