宿泊者アンケートを作り直すときに考えたい7つのこと
そのアンケートは何年製ですか?
突然ですが、質問です。
今、使っている宿泊者アンケートは何年前に作ったものですか?
もちろん一概に「新しければ良い」とか「古いと良くない」ということではありません。
でも、そのときそのときで世相も変われば、お客様も変わります。
たとえば、2019年から世界的に流行している新型コロナウイルス。
生活様式も衛生への考え方も、一変しました。
コロナ以前とコロナ以降。
お宿が「知りたいこと」「実現したいこと」は、果たして変わらなかったでしょうか。
今だからお客様からお聞きしたいこと
試しに「新型コロナ」というキーワードから、お客様に尋ねたいことを考えてみましょう。
- 部屋にあったら嬉しい衛生用品
- 宿泊時に心配になること
- 食事会場で宿側に配慮してほしいと感じること
どれもコロナ以前にはほとんど触れられることのなかった事柄ばかりです。
でも今、これらのニーズを汲み取っていくことはとても肝要です。
今月(2023年3月)からマスク着用の有無は個人判断となりました。
しかしコロナ禍が明けたわけではありません。
むしろ個人ごとの意識のばらつきは大きくなっていくでしょう。
だからこそ「お宿は何を期待されているのか」「宿泊時は何を不安に感じるのか」を丁寧に聞き取っていきたいものです。
こうして考えてみると、時流に合わせてアンケート設問をメンテナンスしていくことの大切さが垣間見えてきますよね。
というわけで、今回のテーマは…
「宿泊者アンケートを作り直すときに考えたい7つのこと」です。
宿泊者アンケートを作り直すときに考えたい7つのこと
ここからは7つの項目に分けてそれぞれ解説していきます。
今あるアンケートでは、なぜダメなのか。
まず考えたいのが、これです。
「作り直そう」と考えるからには、既存のアンケートに「足りない部分」や「変えたい部分」があるはずです。
まずはそれを見つめ直すための問題提起です。
具体的には、こんなふうに問いかけてみましょう。
今のアンケートで足りない部分は?
どこを変えればいいんだろう?
冒頭で解説した「新型コロナ」というキーワードで考えるなら、「衛生面」や「感染対策」などが浮かんできますね。
新しいアンケートで知りたいことはなに?
この答えは、既存のアンケートをただ見つめていても、なかなか浮かびにくいものです。
そんなときは一度アンケートを離れて、スタッフの皆さんでディスカッションするのもオススメです。
普段、業務をしていて気になること、お客様に聞いてみたいことはある?
そんなテーマでブレーンストーミングし、「知りたいこと」を話し合ってみましょう。
ブレーンストーミング
ディスカッション手法の1つ。できるだけ多数の意見を出し合うことが目的。他者の意見を否定しない、他者の意見に便乗しても良い、完全性を気にせず発言する、などを共通ルールとして、制限時間を設けて行う。
前段でふれた「衛生面」から考えると、たとえば次のような「知りたいこと」が挙げられるかもしれません。
「消毒液の数は適切なのか?」
それを知るためにはどんな質問が有効?
前段で導き出した「知りたいこと」。
ではこれをどんなふうにアンケート設問にすれば良いでしょうか。
「消毒液の数は適切でしたか?」
きわめてストレートな質問の仕方です。
でもこれがベストとは限りません。
次のような聞き方の方が多くの意見が集まるでしょう。
「消毒液の配置は適切でしたか? あったらいいなと思う場所があれば教えてください」
すると、こんな意見だってもらえるかもしれません。
自販機のそばにもあると助かります。
小銭は不特定多数の人が触れたもの。
小銭を使った手で飲料を手にとるのは抵抗があるので
どんなツールを使う?
「アンケートを作り直す」というタイミングは、その「形式」についても考え直す絶好の機会です。
アンケート形式は大きく分けて3パターンあります。
1. 紙タイプ
昔ながらの手法。各部屋に紙とペンを置き、回答いただきます。
【メリット】回答にあたりお客様を迷わせることがない。
【デメリット】存在が気づかれにくい。集計の手間が大きい。
2. Webタイプ
QR(二次元バーコード)のカードを各部屋に置き、宿泊客様にスマートフォンでスキャン・回答していただきます。
【メリット】手軽に回答できる。集計しやすい。
【デメリット】スマホ操作が苦手な方もいる。
3. ハイブリッドタイプ
紙とWebの両方を用意しておき、回答しやすい方を選んでいただきます。
【メリット】どんなお客様も回答しやすい。
【デメリット】集計の手間が大きい(※紙とWebを合算する必要がある)
紙かWebか。
これは意外と根の深い問題です。
長くなりそうですので、また別のコラムで詳しくご紹介しますね。
集計方法は?
アンケートに集計はつきものです。
集まったデータをどのようにまとめればよいでしょうか。
これは前段の「ツール」とも関連します。
- 正の字を書く
- 表にする
- グラフにする
「正の字を書く」という集計であれば紙形式のアンケートでもできそうです。
「表にする」「グラフにする」となると、データが電子化されていないと作成困難です。
集計に重きを置く場合は、Webアンケートにまさる方法はありません。
回収率を上げるためには?
アンケートを作り直すとき、同時に考えておきたいのが回収率向上の施策です。
今、実施しているアンケートの回収率がどのくらいか、把握されていますか?
せっかく作り直すなら、回収率の向上も同時に実現したいですよね。
回収率向上については過去にも何度か取り上げていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
宿泊者アンケートの回収率を上げる「ラポールの形成」
▼概要:答えてもらえうためには、信頼関係がタイセツ
宿泊者アンケートの回収率を上げる特典のアイデア20
▼概要:回収率に直結する「特典」について本気で考える
回収率が変わる! アンケートの「まえがき」例
▼概要:まえがき(挨拶文)で「思い」を伝え回収率向上を目指す
コストゼロでアンケート回収率を上げるたった1つの方法
▼概要:お願いするだけで回収率が上がる理由とその根拠
上記の4つの中で、特典以外の方法はノーコストで実現できますので、ぜひご検討ください。
アンケートの活かし方は?
お気づきの方も多いと思いますが、アンケート自体は目的ではなく手段です。
アンケートが手段だとすれば、目的はなんでしょう?
アンケートの作り直しをするとき、目的がはっきりしていないと、不完全な仕上がりになってしまいます。
つまり「アンケートをとってそれをどうするのか」をあらかじめ意識しておく必要があるんです。
- CS(顧客満足度)の向上
- ES(従業員満足度)の向上
- 業務改善
- 業務効率化
- 新サービスの創出
- 販促(ポスターやWebに掲載するためのデータ収集)
アンケートの目的として考えうるもの。
ざっと挙げただけでもこれくらいあります。
それぞれ更に細分化することもできそうですね。
新しいアンケートを作るときは、目的を具体化し、常に目にとまる場所に掲げながら作業するのがオススメです。
設問や構成を考えているうちに、本来の目的とずれて進んでしまうこともありがちですからね。
「ぶれないアンケート」を作るため、「活かし方」を意識することを心がけてみてください。
最小限の手間で最大限の収穫を
アンケートの作り直しに際して、気をつけておきたいこと。
今回は7つのアプローチ方法をご紹介しました。
「より良いアンケートを作ろう」と考えると、意外とやるべきことがたくさんあるものですよね。
「そこまでは手をかけていられない」
「忙しくて時間が足りない」
…そんな場合は、クリアンにお声がけください。
貴館のお手間を最小限にしながら、「知りたいこと」「実現したいこと」を手に入れるアンケート作りをお手伝いいたします。
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